モモ健康寿命って、最近よく耳にするけど…。
平均寿命とどう違うんですかー?



いい疑問だね。簡単に言うと、
平均寿命は「何歳まで生きるか」で、
健康寿命は「何歳まで自分らしく元気に動けるか」ってこと。



じゃあ、長生きしても元気じゃないこともあるってこと?



そう。日本では、人生の最後に平均して男性で約9年・女性で約12年、「自分の力で自由に動けない期間」があると言われてるんだよ。



10年も…。それは知らなかったです。
日本人の平均寿命は世界トップクラス。でも、「長生き」と「元気に長生き」はまったく別の話です。
健康寿命とは、介護や支援を必要とせず、自分の力で日常生活を送れる期間のこと。
この「健康寿命」と「平均寿命」の差は、男性で約8.7年、女性では約12.1年にもなります
出典:厚生労働省「健康寿命の令和元年値について」(2021年12月)
この記事では、健康寿命の正しい意味から日本の現状、そして健康寿命を延ばすために今日から試せる行動まで、一緒に考えていきます。「気づく」だけで終わらず、「今日から1つだけ変えてみる」を目標に、ぜひ最後まで読んでみてください。
健康寿命って、どういう意味?





健康寿命って、よく聞くけどちゃんと説明できないんですよね。



厚生労働省の定義だと、”健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間”って書いてあるよ。
ちょっと固い言い方だけど、もっとシンプルに言えば”自分の足で歩けて、好きなことができる期間”のことだよ。
「平均寿命」と「健康寿命」の定義をおさらい
平均寿命とは、0歳の人が平均して何歳まで生きられるかを示す指標です。
日本の平均寿命(2022年)は男性81.05歳・女性87.09歳。(出典:厚生労働省「令和4年簡易生命表」)
長寿大国として世界的に知られています。
一方、健康寿命は「日常生活に制限のない期間」を指します。
厚生労働省の定義は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」。
介護や支援を必要とせず、自分の意志で動き、自分らしく過ごせる状態がどれだけ続くか、それが健康寿命です。
この2つは混同されやすいですが、まったく別の概念。
「長生き」と「元気に長生き」は違います。
このブログ「森の健康ラボ」が大切にしているのも、まさにこの「元気に長生きする」ための情報です。
健康寿命はどうやって測られる?
健康寿命の測り方には主に2通りあります。
日本では厚生労働省が3年ごとに実施する「国民生活基礎調査」のデータをもとに算出しています。
自己申告による「日常生活に支障があるか」の回答を使い、制限のない期間を計算するもので、いわば「本人の感覚から見た健康な期間」です。
WHOが用いる指標(HALE:WHO式の健康寿命指標)は疾病の影響を加味したもので数値が若干異なりますが、考え方の根本は同じ。
大事なのは、「何歳まで生きるか」よりも「何歳まで元気に生きられるか」に目を向けることです。



つまり、長生きすることよりも、元気に過ごせる期間を長くすることが大事ってことですね。



そういうこと。健康寿命を知ることは、”どう生きるか”を考えるためのヒントになるんだよ。
日本の健康寿命の「今」──数字で見るリアル





日本って、健康寿命はどのくらいなのかなぁ?



2019年のデータやと、男性が72.68歳、女性が75.38歳。
平均寿命と比べるたら、男性で約8.7年、女性で約12.1年の差があるんやで。



12年…。
それってほとんど10年以上、”自由に動けない状態”で過ごすってこと?



平均的にはそうなる計算になるなー。
もちろん個人差はあるけど、数字として受け止めておくことが大事やな。
男女別の最新データ
厚生労働省が2021年12月に公表した「健康寿命の令和元年値について」によると、日本の健康寿命と平均寿命は以下のとおりです。
| 健康寿命(2019年) | 平均寿命(2019年) | 差 | |
|---|---|---|---|
| 男性 | 72.68歳 | 81.41歳 | 約8.73年 |
| 女性 | 75.38歳 | 87.45歳 | 約12.07年 |
出典:厚生労働省「健康寿命の令和元年値について」2021年12月公表
女性は男性より長生きする分、健康でない期間も長くなる傾向があることがわかります。長寿は素晴らしいことですが、「元気に過ごせる期間をどれだけ延ばせるか」が、これからの時代の大きなテーマです。
推移を見ると、何がわかる?
健康寿命は、2001年から2019年にかけて少しずつ延びています。
・男性は69.40歳→72.68歳(+約3.3年 増)
・女性は72.65歳→75.38歳(+約2.7年 増)です。(出典:厚生労働省)
対策の積み重ねが少しずつ結果に出ています。
ただし、平均寿命との「差」はほとんど縮まっていません。
つまり、長生きする年数は増えているのに、元気でない期間も同じように続いているということ。
「長生きすればいい」ではなく、「元気に長生きする」ための意識と行動が、社会全体で求められています。



少しずつ健康寿命は延びてるけど、課題はまだたくさんある。
なぜこういう差が生まれるのか、次で一緒に見ていこうか。
「差」が約10年──これが意味すること





この10年の差って、具体的にどういう状態のことを言うんですか?



介護が必要だったり、自由に外出できなかったり、好きなことができない状態が続く期間のことだよ。
行きたい場所に行けない、会いたい人に会えない…そういう時間が平均して10年近くある。
介護・支援が必要な期間とは
「介護が必要な状態」と聞くと、全介助のイメージを持つかもしれませんが、実際にはさまざまな段階があります。
要支援・要介護状態になると、入浴・排泄・食事などに支援が必要になることがあります。
その程度は段階によって大きく異なりますが、「自分の力だけでは生活が難しくなる」という点は共通しています。
問題は「動けない」というだけでなく、本人のQOL(生活の質)・意欲・自尊心にも大きく影響するということです。
「もっと動きたい」「まだ働きたい」「旅行に行きたい」という気持ちがあっても、体がついてこない。
その状態が長く続くことの重さは、想像以上かもしれません。
要支援・要介護の認定基準や詳細については、かかりつけ医や地域包括支援センターへご相談ください。
介護が必要になった主な原因トップ5
厚生労働省「令和元年 国民生活基礎調査」によると、介護が必要になった主な原因(要介護者)の上位は以下のとおりです。
- 1位:認知症(17.6%)
- 2位:脳血管疾患・脳卒中(16.1%)
- 3位:高齢による衰弱(12.8%)
- 4位:骨折・転倒(12.5%)
- 5位:関節疾患(10.8%)
注目したいのは、骨折・転倒・関節疾患・高齢による衰弱など、「筋力・運動」と深く関係する原因が複数入っている点です。
これは逆に言えば、日頃の体づくりで予防できる可能性があるということでもあります。



骨折で介護が必要になることもあるんだ!
ちゃんと体を動かしておくことが大事なんですね。



せや。骨折から寝たきりになるリスクは、複数の研究でも示されてるねん。
だからこそ、筋力を維持しておくことが大事やねんで。
次の章で、なんで筋力が衰えていくのかを説明するわな。
差がなかなか縮まらない理由──元気な期間を守るために





健康寿命って少しずつ延びてはいるけど…。
なんでもっと延びないんだろう?
やっぱり年を取ると避けられないことなのかな?



年齢とともに体が変わっていくのは、まぁ自然なことやで。
けど、どのくらい進むかは日頃の習慣でかなり変わってくるで。
せやから「避けられない」じゃなくて、「対策できる」って考えてほしいねん。
30代から始まる筋肉の減少(サルコペニア)
筋肉量は、何もしなければ30代ごろから少しずつ減り始め、70代以降では若いころと比べて大幅に低下することもあると言われています(個人差あり)。
この筋肉量・筋力の低下は「サルコペニア」と呼ばれ、近年注目されている老化のリスク要因です。
筋肉が減ると、転倒しやすくなる・疲れやすくなる・基礎代謝が落ちる・生活習慣病リスクが高まる、といった影響が連鎖します。
つまり、筋肉の衰えは元気に過ごせる期間を短くする最大の要因のひとつと言えます。
ただし、筋肉は何歳からでも鍛えることができます。
70代・80代であっても、適切な運動で筋力を維持・回復できることは多くの研究で示されています。
「もう遅い」ということはありません。
お尻の筋肉は健康寿命を守る筋肉のひとつです。初心者向けの鍛え方はこちらで紹介しています。
▶ お尻の筋肉が老後を決める?衰えのリスクと自宅でできる初心者筋トレ
生活習慣病との深いつながり
糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病は、長期間にわたって血管を傷つけ、脳・心臓・腎臓などに影響を与えます。
介護が必要になった原因の1位・2位が「認知症」と「脳血管疾患」であることからも、生活習慣病のコントロールが健康寿命に直結することがわかります。
生活習慣病は自覚症状が少なく、「知らないうちに進行している」のが特徴です。
定期的な健康診断を受けることは、健康寿命を守る基本のひとつ。
健康診断では特に血圧・血糖値・LDLコレステロールの数値を確認しておきましょう。
気になる数値がある方は、かかりつけ医に相談することをおすすめします。
「3つのリスク」──運動不足・栄養不足・孤立
フレイルとは、加齢により心身の機能が低下し、生活の自立が難しくなりやすい状態のことです。
健康寿命を守るうえで近年注目されており、その背景には次の3つのリスクが絡み合っています。
1つ目は運動不足。体を動かさない日が続くと、筋力・体力・バランス感覚がじわじわと低下します。
2つ目は栄養不足。とくにたんぱく質の摂取量が少なくなると筋肉の合成が追いつかなくなります。
3つ目は社会的孤立。人とのつながりが減ると、認知機能の低下リスクが高まるという研究が多くあります。



この3つはどれか1個でも悪化すると、他の2つにも影響するんやで。
だからフレイルって、気づいたら一気に進んでた…ってことも多いんや。



逆に言えば、1つでも対策すれば他にも良い影響が出てくるってこと?



せやで!だからまず1つから始めることが、めっちゃ大事やねん。
今日からできる、健康寿命の延ばし方





で、結局何から始めればいいんでしょう…?



難しいことは何もない。
大事なのは、今日から1つだけ変えること。
そしてそれを続けること。完璧にやろうとしなくていいんだよ。
① まず「体を動かす」ことから
健康寿命を延ばすうえで、もっとも効果が証明されているのが運動習慣です。
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に対して1日60分以上の身体活動を推奨しています。
特別なジムや道具は必要ありません。
ウォーキング・スロースクワット・ストレッチといった「ながら運動」でも、筋力維持に十分な効果があります。
「毎日少しだけ体を動かす」という習慣が、長期的に大きな差を生みます。
まず今日、いつもより10分多く歩いてみるだけでも、立派な一歩です。
運動が苦手な人はまずここから。
▶ 【保存版】タイパ最高「ながら運動」|運動初心者の忙しい主婦に超おすすめ
② 食事で筋肉と血管を守る
筋肉を守るために欠かせないのが、たんぱく質の摂取です。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人のたんぱく質推奨量は体重1kgあたり約0.9〜1.0g。
高齢になるとさらに多めが必要とされています。
肉・魚・卵・豆腐・納豆などを毎食意識して取り入れることが、筋肉量の維持につながります。
また、塩分・糖分・飽和脂肪酸の摂りすぎは血管を傷めるため、野菜・魚・発酵食品を意識的に選ぶことも効果的です。
「毎食完璧に」は難しくても、「今夜の夕食に魚を1品追加する」から始めてみてください。
たんぱく質の取り方はこちらで詳しく解説しています。
▶ たんぱく質、あなたは足りてる?家族の元気にも響く食事のひと工夫
③ 睡眠とストレスに向き合う
睡眠不足は、免疫力の低下・血圧上昇・認知機能への影響など、全身にダメージを与えます。
慢性的な睡眠不足は、糖尿病や心疾患のリスクを高めることも知られています。
また、長期にわたるストレスは血管の炎症・免疫の乱れ・ホルモンバランスの崩れを招きます。
「完全にストレスをなくす」ことは難しいですが、睡眠を7時間確保する・好きな時間を1日15分でも確保するといった小さな習慣が、長期的な健康を支えます。
7時間の確保が難しいと感じる方は、今の就寝時間をまず30分だけ早めることから試してみてください。
眠れないときはこちらも参考にしてみて下さい。
▶ 寝つきが悪いのはなぜ?原因と寝つきを良くする9つの方法
④ 人とのつながりを大切にする
孤独が健康に与えるリスクは、複数の研究で報告されています(Holt-Lunstad et al., 2015, PLOS Medicine 等)。
人と話す・外出する・地域活動や趣味に参加するといった行動が、認知症予防・うつ予防・生きがいの維持に直結します。
「人と会う」こと自体が健康習慣。
まずは家族や友人に連絡を取ってみることも、立派な健康への一歩です。
笑いと健康の意外な関係はこちら。
▶ 笑うと元気に?「小さな笑顔」が心と体をふっと軽くする5つの健康効果



運動・食事・睡眠・人とのつながり。
全部いっぺんにやろうとしなくていい。
今週、1つだけ試してみてほしいな。



全部できなくてもいいんだ。
それなら続けられそうです!
まとめ──今日から1つだけ変えてみよう





平均寿命と健康寿命って、全然違うことなんですね。
長生きすることよりも、元気に生きられる期間を長くすることの方が大事なんだ。



健康寿命を延ばすのは、特別なことじゃない。
毎日の小さな習慣の積み重ねだよ。
若いうちから少しずつ意識しておくだけで、老後も自分の足で歩ける可能性がぐっと高まる。
この記事でお伝えしたことを、ひとつ整理しておきます。
- 健康寿命とは、介護なしに自分の力で生活できる期間のこと
- 平均寿命との差は、男性で約8.7年・女性で約12.1年(厚生労働省 2019年データ)
- 介護が必要になる原因の上位は、認知症・脳血管疾患・高齢による衰弱・骨折転倒
- 筋肉の減少・生活習慣病・孤立が健康寿命を縮める主な要因
- 対策は運動・食事・睡眠・人とのつながりの4つ
- 完璧を目指さなくていい。今日から1つだけ変えてみることが大事
「何から始めればいいかわからない」という方は、まず今日、いつもより少しだけ長く歩いてみてください。
それだけで、あなたの健康寿命を延ばす一歩が始まります。
森の健康ラボでは、今後も「心・体・食・習慣」に関する情報を、初心者の方にもわかりやすくお届けしていきます。
習慣を続けるコツはこちらで解説しています。
▶ 忙しくてもできる!40代女性の習慣化のコツ7選と続かない人の特徴









